第8回 平和構築ゼミ(最終回)「難民受け入れをめぐって」

 平和構築ゼミ最後の取り組みとして、難民問題について扱いました。最近ニュースで聞かない日はないほど重要なテーマですが、今回はあえて自分たちにとって身近な問題として捉えられるよう、「202×年、東京オリンピック直後の東京に難民が押し寄せたら…」という状況を設定し、受け入れの可否を問うところから議論を始めました。人道的観点から賛成はしたいものの、東京の中心地に建てられた選手村がそのまま難民キャンプになる、という設定に戸惑った生徒も多かったようです。議論は難民を受け入れることへのプラス要因・マイナス要因の分析に移りましたが、今日の主題は実は受け入れの可否ではなく、外国からの人の流入はこのグローバル化が叫ばれる現代には不可避のことであり、どうすればこのマイナス要因を取り除くことができるか、そこを考えてもらうことにありました。そこに気付いた生徒たちからは、行政や法の整備といった国レベルでできることや、言語や文化の壁を少なくすることの重要性といった、さまざまな提案がなされました。
 「国レベルでの対策はとても時間がかかるが、個人で動くと早い」「熟考することも大事だが、行動に移さなくてはだめ」一年間のゼミを通してさまざまなことを学んだ生徒たちからは、そんな言葉が聞かれました。さまざまな視点から世界を見つめるバランス感覚を持ち、自分の頭で考え行動できる人として、彼らが活躍してくれることを祈っています。(文責:小太刀)

  

第7回 平和構築ゼミ × In_cafe「韓国人留学生と本音で語る会」

 平和構築ゼミの一環として、東京学芸大学の韓国人留学生3名を本校にお招きしました。整形や兵役のこと、就職のこと、学歴社会のことから従軍慰安婦・歴史認識、南北問題と、当初教員がハラハラするくらいの「ぶっちゃけトーク」が展開されました。来校された3名の留学生が大変日本語が流暢で、かつ高い見識を備えており、冷静に生徒に対応してくれたことで、生徒の側もきちんと礼儀をわきまえつつ、ぐいぐい聞いていたのが印象的でした。「韓国・韓国人に対する印象が変わったか?」という項目では多くの生徒が「とても変わった・変わった」を選んでおり、直接対話することの重要性に生徒も気がついてくれたようです。(文責:小太刀&山北)

第6回 平和構築ゼミ 

 平和構築ゼミへの参加を通じて、参加生徒のなかには「高校生である私たちに何ができるのか」という問題意識が芽生えてきたことから、3学期に東京学芸大学で学ぶ韓国人留学生との交流会が行われることになりました。そのための予備知識として、本校教員(地理歴史科)の小太刀により、歴史問題への取り組みについてヨーロッパにおける事例としてドイツに関する講義が行われました。日本と同じく第二次世界大戦という負の歴史を持つドイツが、特にその記憶の継承や隣国フランスなど周辺国との共同歴史教科書をつくるなど、次世代を含む和解と共通理解の形成に取り組んでいる事例が紹介されました。国や言語を越えて、相互理解のために直接話し合うことの大切さを実感した生徒が、次回韓国人留学生とどのような対談を行うのか、楽しみです。(文責:小太刀)

第5回 平和構築 人道的介入

  

 1999年3月から7月にかけて北大西洋条約機構(NATO)軍がユーゴスラビアに対して行った爆撃、いわゆる「人道的介入」は国際世論に大きな反響を及ぼしました。個別国家の独断による武力行使というものが、はなはだしい人権侵害や非人道的状況を中止させるためという理由であるならば許容できるのでしょうか。この難問について、政治哲学の3つの立場—功利主義・義務論・共同体主義−からアプローチすることを通じて、生徒たちと共に考えていきました。
 哲学の考え方を導きとして、平和に対する自分の価値観を省みることを生徒たちに求めました。
(文責:小太刀&山北)

第4回 平和構築 コンゴの紛争資源問題の解決に向けた消費者市民の役割

 今回も第3回に引き続き、東京大学の華井先生にお越しいただきました。
 今回のテーマは、「私たちにできること」。携帯やゲーム機などに使われている資源がコンゴの紛争の要因になっているという話題提起に始まり、高校生である自分たちには何ができるのか、について生徒たちは真剣に話し合っていました。この問題におけるアメリカの立ち振る舞い、コンゴ内でも意見が対立しているという平和構築も後半戦になり、物事を「構造的に捉えること」から「私たちにできること」を考えることにシフトしました。生徒たちは、今までの学習をもとに自分たちができることを考えはじめました。(文責:小太刀&山北)

※後の調査のアンケートでは、多くの生徒から平和構築に対する前向きな意見が見られました。

第3回 平和構築 模擬安保理

 平和を担う機関として、私たちが真っ先に連想するのは国際連合でしょう。では、国際連合はどんな仕事をしているのでしょうか?どうして国際連合がある のに、世界にはまだまだ紛争が絶えないのでしょうか。
 今回は東京大学から華井先生をお呼びし、実際に起きたコンゴの資源問題を題材にアメリカ、ロシア、イギリス、フランス等の各国になりきって、安全保障理事会のロールプレイを行いました。安全保障理事会の各国になりきり自分に与えられた役割を追って行くうちに、生徒たちも国際連合が果たせる意義と限界が見えてきたようです。その後のディスカッションもとても白熱しました。
 この日は秋の学校説明会の公開講座として行われましたが、多くの方に見学して頂き「こんな授業をぜひ高校で受けてみたい」とコメントを頂くなど、多くの関心を集めていました。(文責:小太刀&山北)

第2回 平和構築 貿易ゲームを実施しました。

 帝京大学より加納先生をお招きして、貿易ゲームを実施しました。貿易ゲームでは、各グループは資源を持つ国、資源は少ないが技術を持つ国、どちらも持たない国などさまざまな諸条件を持つ国に割り振られ、グループの利益確保を目指しながら貿易に関する様々な問題を学びます。たとえば技術をたくさん持つ国と、資源国が協力して収益を目指せば「国際分業」になりますが、もし技術国が資源国に一方的な要求をしたら?製品の価格が変わったとき(つまり市場価格が変わったとき)、どうすればいいのか?ゲームでは収益拡大のためにライバルグループを外交によって(!)買収したり、国際市場の動向を常に探る作戦に出たり、それぞれの工夫が光りました。
 ゲームを通じて貿易問題の仕組みや課題を体験したあとは、その解決方法についてのディスカッションが行われました。資源や技術を独占する先進国の役割や、どちらか一方しか持たない・どちらも持たない後発国が国際市場のなかでどう生き抜いていくかなど、生徒たちは具体的なイメージを持ち、国際市場という場における平和構築について学んでいました。(文責:小太刀&山北)

【SGHアソシエイト】特別講座『平和構築ゼミ』第1回目を開催しました。

 本校は昨年より文部科学省からSGHアソシエイトに指定され、様々な取り組みをしています。今年度は、新たな企画として希望者を対象にした特別講座『平和構築ゼミ』を開催しています。平和構築とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、英語の『Peacebuilding』の訳語で、「平和を作り上げていく活動」を指す言葉です。1年間かけて、平和を構築していくための諸条件の学習や、実際に研究者やNGOなどこの分野の第一線で活躍されている方々の講演なども予定しています。
 第1回目は、東京外国語大学の篠田英朗先生にお越し頂き、本校生徒19名と本校卒業生4名の参加で行われました。篠田英朗先生は、日本における平和構築研究の第一人者で、本日は「平和構築と法の支配」というタイトルで、特別授業を行って頂きました。まず、平和構築とは何かといった総論的なお話を伺った後、生徒同士で日本史をテーマにケーススタディーを行いました。ケーススタディーでは、紛争の原因や結果などを各グループで図示しながら、あるべき解決策について活発な議論が行われました。
 今後、『平和構築ゼミ』では年間10回程度、本校卒業生を含めた外部講師による講義や、本校教員による授業などを行う予定です。 (文責:小太刀)

  

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過去の告知
➣第7回平和構築

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